ライター・編集者 松本正行

「演目:寿式三番叟 画像提供:国立文楽劇場」
前回は文楽の人間国宝のお話をしましたが、彼らはすべて技芸員と呼ばれる人たちです。現在(25年11月20日)、公益財団法人・文楽協会には太夫21名、三味線22名、人形遣い39名の技芸員(合計82名)が所属しています。人形遣いの数が多いのは、3人で操るという特殊性からでしょう。
歌舞伎と違って文楽は世襲制ではありません。もちろん、三代目・桐竹勘十郎さん(人形)のように親が技芸員だったという人もいますが、ほとんどの人は文楽とは無縁の一般家庭の出身です。では、技芸員にはどのようにしてなるのでしょうか。ルートは2つあって、ひとつは技芸員に直接弟子入りする方法です。もうひとつは、国立劇場養成所の研修生(中卒以上23歳までの男子)になる方法。研修生として2年間みっちり修業し(三業すべての技術と知識を学びます)、適正に応じて太夫、三味線、人形遣いに分かれていきます。こうやって伝統文化は維持されているわけです。
年齢制限はありますが、「なりたい!」と思えば、誰でも国立文楽劇場の舞台に立つことができるんですね。芸の世界はなかなか大変ですが、多くの若者にチャレンジして欲しいものです。
さて、正月公演(「初春文楽公演」)が近づいてきました。第1部の「寿式三番叟」は正月らしいお目出たい演目、第3部の「連獅子」は映画『国宝』でも披露されていました。前回紹介したように第2部の「新薄雪物語」には人形の3人の人間国宝が登場します。ぜひ、ご覧あれ。
●「令和8年初春文楽公演」(1月3日~27日)
https://www.ntj.jac.go.jp/schedule/bunraku/2025/2026bunraku01/
筆者紹介:上町台地上にある高津高校出身。新聞社・出版社勤務を経て、現在、WEBや雑誌等で活躍中。NPO法人「まち・すまいづくり」会員。
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