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文楽ことはじめ―16段目 『新薄雪物語』で見た“国宝”の至芸

Posted on 2026年1月9日2026年1月9日 by うえまちウェブ編集者

ライター・編集者 松本正行

「演目:新薄雪物語 画像提供:国立文楽劇場」

『新薄雪物語』で見た“国宝”の至芸

令和8年の「新春文楽公演」がスタートしました(~1月27日)。さっそく第2部を観劇。存分に“国宝”の技・芸を堪能してきました。

第2部の演目は『新薄雪物語』で、28年ぶりの上演だといいます。鎌倉将軍家の家臣たちの権力争いを背景に、若い男女の恋、親子の情愛、武士としての覚悟などを描きながら、ドラマは展開します。劇中には、実在した著名な刀工(来国行など)も登場するので、そちらで興味をもつ人もいるかもしれません(この作品は刀がキーとなっています)。

今回の第2部は4つの段で構成されますが、なんといっても見どころは最後の「園部兵衛屋敷の段」でしょう。なにしろ、人間国宝の人形遣いである3人(吉田和生、桐竹勘十郎、吉田玉男)がそろい踏みするのです。とくに後半は、国宝の3人だけが舞台に上がり、物語は展開していきます(なお、写真は過去に上演された際のものです)。

3人だけのシーンは、桐竹勘十郎演じる「幸崎伊賀守」と吉田玉男演じる「園部兵衛」が心を合わせ、「蔭腹」を切るという設定です。蔭腹とは、切腹したことを隠しながらの演技を指します。平然を装いながら、切腹していることも匂わせる――そこが難しい。さらに、死を目前にしながら、吉田和生演じる兵衛の女房「お梅の方」も交えて3人で笑い合う場面も、複雑な思いがないまぜになっているだけに簡単ではありません。そこは、さすが人間国宝のみなさん。見事に演じ切っていました。

「新春文楽公演」は3部制で、第1部では春を寿ぐ『寿式三番叟』と、四天王寺西門界隈が舞台の『摂州合邦辻』、第3部は明治時代の作品『壷坂観音霊験記』と、映画『国宝』でも演じられた『連獅子』が上演されます。どれも見ごたえ十分。お見逃しなく。

●「令和8年初春文楽公演」(1月3日~27日)

https://www.ntj.jac.go.jp/schedule/bunraku/2025/2026bunraku01/

筆者紹介:上町台地上にある高津高校出身。新聞社・出版社勤務を経て、現在、WEBや雑誌等で活躍中。NPO法人「まち・すまいづくり」会員。

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Posted in 文楽ことはじめTagged 上町台地, 国立文楽劇場, 文楽
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