ライター・編集者
松本 正行
(例文)不都合な点があればお伝えいただければと思います。最後までお楽しみいただければと思っております。
「~したいと思います」「~と思っています」という文はよく見かけます。文末のおさまりがいいからでしょう、筆者もメールなどで知らず知らずのうちに使いがちなのですが、本人にその気がなくても「思う」は断定を避けた逃げの表現。たとえば「A案を進めたいと思います」と「A案を進めます」では、まるで印象が異なりますよね。「思います」では、本当に進める気があるの? となりかねません。
(修正)不都合な点があればお伝えください。最後までどうぞお楽しみください。
「思う」と同じく「考える」も使ってしまいがち。「結果がわかり次第、ご報告したいと考えます」などは、まさに“ありがち”で、これも「ご報告します」でいいし、「●●日以内にご報告します」とすればより信頼感が増します。
「思う」や「考える」の多用は書き手の評価を下げる――。こうした「あやふやな表現」は文章を見直す時の最重要チェックポイントだ、と心しましょう。
筆者紹介:上町台地上にある高津高校出身。新聞社・出版社勤務を経て、現在、WEBや雑誌等で活躍中。NPO法人「まち・すまいづくり」会員。