ライター・編集者
松本 正行
(例文)2課の田中は営業成績が社内で一番優れている。
ごく普通の文章で、よく見かける形です。文法的にも間違っていません。ただ、私たちは文章を読むとき、「~は」「~が」という形が主語だ、と思って読んでいます。それが2つ出てくると意味が取りにくい。例文は短いのでましですが、長い文だと、判断しづらいケースもでてくるはずです。
(修正)2課の田中の営業成績が、社内で一番優れている。
「は」を「の」に変え読点を加えたことで、主語が明確になりました。主語っぽい言葉はできるだけ重ねないよう書く、を心がけましょう(読み返してみて意味が取りづらくないかが、書き換えるかどうかのポイント)。「アメリカは、大統領選挙をめぐる混乱が続いている」のように場所や対象を「~は」で示すことも多くあります。これも「アメリカでは、~」という具合に場所であることを明確にすれば、すっきりした文になります。
以前にも書いたように、読み手に頭を使わせないのがうまい文章を書くコツです。主語の明確化は、読み手の理解を進める上でのキーとなります。
筆者紹介:上町台地上にある高津高校出身。新聞社・出版社勤務を経て、現在、WEBや雑誌等で活躍中。NPO法人「まち・すまいづくり」会員。