ライター・編集者
松本 正行
(例文)朝令暮改。これはよく聞く言葉だが、それを「朝礼暮改」と書き間違える人がいる。
「こそあど言葉」(指示語)を適切に使って繰り返しを避けると、すっきりとして読みやすい文になります。しかし、何を指しているのか判然としないと文意がつかめない――。前回は、そのことを書きました。
一方で、指し示している言葉が明確でも、過度に指示語を使うと読みにくくなることがあります。
(修正)「朝令暮改」はよく聞く言葉だが、「朝礼暮改」と書き間違える人がいる。
後者のほうが引き締まった感じがしませんか。
使い過ぎだけでなく、示している言葉と指示語が離れている場合も注意が必要です。何を示しているかはっきりしていても、読者にはすぐにわからない(よって、探さなくてはいけない)可能性がある。離れているときは、なるべく「こそあど言葉」を使わないようにしましょう。
「あれ」「これ」「それ」だけで意味が通じるのは、ほんと、ベテランの夫婦だけ、なんですね。
筆者紹介:上町台地上にある高津高校出身。新聞社・出版社勤務を経て、現在、WEBや雑誌等で活躍中。NPO法人「まち・すまいづくり」会員。