算数、数学、理科を解くのに、知ってるとちょっと得するコツや心構えを、数学・理科・英語の指導に定評のあるKSP理数学院の鍵本聡先生にお聞きするコーナーです。
●問題集を解くのが憂鬱です。どうすればいいですか
みなさん、問題集を解くときに「なんかやらされてるなあ、めんどうくさいなあ」と思って取り組んでいませんか? 実は多くの学生さんが「やらされ感」を抱きながら勉強しています。前の動画でも言いましたが、まずは「ハート」が重要。やらされ感で問題集を解くのはあまりいいことではありません。
●では問題集はどんな気持ちで解いていけばいいですか
問題を解くことは「自分が解けない・苦手な問題を探す旅」です。旅行に行ったつもりで解いていきましょう。旅をしながら面白そうな場所があったら立ち寄ってみたり、あまり興味なさそうなら後回しにしたり、まずはそういう感じでやっていけば、きっと楽しく問題集を解いていけますよ。
●具体的にはどの問題から解いていけばいいですか
問題集に載っているたくさんの問題を全部やろうとすると大変ですね。ではどの問題から始めるといいのか? まずは最初からやってみましょう。たいていはすごく簡単な問題であることが多いです。2、3問やってみて「これはさっと解けそうだな」と思ったら、思い切って解かずに抜かしてみましょう。もっと先の問題が解けたらそのまま放っておいて問題ありません。結構な速度でページをめくれるはずです。
●問題集で大切なのはどんな問題ですか
単刀直入に言うと、大切な問題というのは「解けるかわからない」ような問題。そんな問題をみたらどんどん解いていきます。答え合わせをした後、うまく解けたら〇、計算間違いをしたら△、間違えたら×を、必ず問題番号の横につけておきます。最初から順番にやる必要は全くありません。
●問題を解き進める際に気を付けることはありますか
気を付けてほしいこと、それは「答え合わせをするまで解答を見ない」ということです。実は多くの人が途中でわからなくなったらすぐに解答を見てしまいます。もしわからなかったら、解答を見るのではなく(1)その問題の上のほうにある例題、(2)その問題の近辺にある別の問題、(3)教科書や参考書などの別の本の問題や解答、などを見ます。そういう問題の中にヒントは隠れているのです。そうやって解けた問題は「解けた問題」であり、みなさんの実力につながるのです。
●答え合わせはどのように進めていけばいいのでしょう
まずは解答を見ずに、自分の解答を作ります。「よし、これでできた!」と思ったら解答を見ましょう。その際に重要なことは、一旦解答を見たら、鉛筆をおいて赤ペンで修正するということです。もし合っていたらちゃんと〇をつけましょう。間違えていたり、計算を途中で間違えていたら、赤ペンで修正していきます。全然わからなくて白紙だった場合などもありますが、その場合は解答をよく読んで、できれば赤ペンで正解を書いていきます。納得したら、解答を見ずにもう一度別のページにやっていきます。
●問題集にはどのような印をつけておくといいですか
間違えた問題、できなかった問題は番号横に小さく×印、少し間違えた問題や最後の最後で計算を間違えた問題などは△印、できた問題には〇印をつける、という感じで、自分の解いた問題がどれぐらい正解だったかを一目で見るようにしていきます。こうやって解いた問題集には、いくつかの×印が付いた問題があるはずですが、実はそれらの問題が自分にとって大切な問題なのです。そして試験前には×の問題だけ復習すればいいのです。まさにこの作業こそが「自分が解けない問題を探す旅」なのです。
問題集をどんどん解くことでみなさんが実力をつけられますようにお祈りしています。
動画での解説はこちら→https://youtu.be/LHakcTFEqnc
◇
▽1223KSP 理数学院(旧KSP理数学院)=東成区東小橋3‐1‐15NKBビル3階、電話06・4981・5292
鍵本聡先生(1223KSP 理数学院代表) 京都大理学部・奈良先端大卒、数学教育のエキスパート。「計算力を強くする」シリーズや「16歳の教科書」など、著書は国内外で40冊に上る。