算数、数学、理科を解くのに、知ってるとちょっと得するコツや心構えを、数学・理科・英語の指導に定評のあるKSP理数学院の鍵本聡先生にお聞きするコーナーです。
●まず単刀直入にお聞きします。算数や数学の予習ってした方 がいいですか?
算数も数学も予習した方が格段に理解力がアップします! ぜひどんどん予習してください。
●数学の予習をすると何がどういいんですか?
当たり前のことですが、難しい話って1回聞いただけじゃわからないことって多いですよね? 算数や数学も同じです。初めて聞く単元というのはなかなか理解しづらいですが、一度自分なりに勉強して悩んだ状態で話を聞くと、ポイントがわかっているので理解できることが多いのです。
●じゃあ逆に、予習せずに授業を聞くのは良くないってことですか?
算数や数学の概念というのは、一度聞いたぐらいでさっと理解できるものではありません。何度も何度も同じ説明をたどっていくことで、やっと理解できるということが多いのです。授業中にさっと1回聞いただけでよく理解できないのは当然のことなのです。予習をして授業に臨むことがお薦めですが、もしも予習せずに授業を聞く場合は必然的に復習が大切になります。いずれにせよ、予習や復習を絡めながら、問題が解けるように何度もなぞってみることが重要です。
●では、予習をするときにはどんなことをするといいのですか?
予習と言っても色々な方法がありますが、一番お薦めなのが教科書を授業で習う前に読んでしまう方法です。算数や数学というのは他の教科と違って、元来実験道具など何もなくても、基本紙と鉛筆だけで勉強ができる科目です。教科書の内容を読みながらその例題や練習問題を解き進めることで、誰でも予習ができます。
●予習をしてわからない部分があればどうすればいいですか?
当然、自分で予習をすると、教科書を読みながらわからない部分や問題もあるかもしれませんが、それはそのまま放っておけばいいのです。もう一度学校で習う時には、おそらくその疑問は解消されることでしょう。もし解消されなかったら、そこがポイントです。先生に質問するなり、もう一度家に帰って考えてみるなり、そのポイントを必ず乗り越えましょう。きっとその単元が得意になるはずですよ。
●生徒が先に予習をした状態だと、授業をする先生は嫌なものじゃないんですか?
学校や学年によっては、新しい単元に入ったときに、クラスの大半が学習塾ですでにその単元の難しい問題を訓練しているなんてこともあるかもしれませんね。とはいえ、全員がよくわかっているのかどうかは先生もわからないものです。基本的に先生は、生徒たちがその話を初めて聞くと思って授業を進めていきます。よく知っている単元でも、先生が気持ちよく授業を進められるように「うんうん」とうなずきながら話を聞くようにすると、自分にもいい確認になります。
そんなわけで「算数と数学はどんどん予習」です。これを実践して、ぜひ余裕をもって勉強を進めていってくださいね。
動画での解説はコチラ→https://youtu.be/mWl9JHgUG5w
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▽1223KSP 理数学院(旧KSP理数学院)=東成区東小橋3‐1‐15NKBビル3階、電話06・4981・5292
鍵本聡先生(1223KSP 理数学院代表) 京都大理学部・奈良先端大卒、数学教育のエキスパート。「計算力を強くする」シリーズや「16歳の教科書」など、著書は国内外で40冊に上る。