ライター・編集者
松本 正行
(例文)遊休地の有効活用が、現在、最優先で議論すべき課題である。
漢語はもともと中国の言葉で、日本語に取り入れられました。例文は主にその漢語を使ったものですが、「堅苦しい」という印象がぬぐえませんね。一方、修正文のように少し和語(古くから日本で使われてきた言葉)を交えて書くと、ずいぶん印象は異なります。
(修正)遊んでいる土地をどう有効活用するかが、いま最優先で話し合うべき課題です。
和語はやわらかい印象を与えるため、漢語が続いたときには、和語に置き換えるといいでしょう(例:「明白」→「明らか」、「遅延」→「遅れる」、「増加」→「増える」)。なかでも不特定多数に向けた文章は、和語が多めのほうが読まれる傾向にあります。逆に、フォーマルな印象が好まれるビジネス文書は、漢語を多めに使ったほうが効果的です。
シーンに応じて、うまく使い分けるようにしましょう。
参考までに、「明らか」という和語に対応する漢語には「明白」に加え「明瞭」「歴然」など複数あります。それぞれ微妙にニュアンスが異なっているので、漢語を使ったほうが自分の思いや考えを正確に伝えやすい――。そのことも覚えておきましょう。
筆者紹介:上町台地上にある高津高校出身。新聞社・出版社勤務を経て、現在、WEBや雑誌等で活躍中。NPO法人「まち・すまいづくり」会員。