算数、数学、理科を解くのに、知ってるとちょっと得するコツや心構えを、数学・理科・英語の指導に定評のあるKSP理数学院の鍵本聡先生にお聞きするコーナーです。
●試験にもいろいろあると思いますが、どの問題から解くといいのでしょう?
模擬試験や定期試験、入学試験や資格試験、試験にもいろいろな種類や科目がありますが、どの問題から解いていくといいのでしょう。実はこの質問への回答は結構奥が深いのです。
とりあえず当たり前のことを書くと、どの試験にも共通して言えることは
「解ける問題から解いていこう!」
ということになります。ですが、この「解ける問題」がそもそもどの問題なのかを見抜くのが意外と難しいとも言えます。 試験の範囲や性格によっては、全問解ける問題かもしれないし、全問が難問ということもあります。それに、まったく勉強してこなかった範囲の定期試験などでは(本当はそれも問題なのですが笑)解ける問題がない、なんてこともあるかもしれませんね。
●じゃあ結局どうすればいいのでしょう?
まず、試験開始直後に問題用紙をざっと見てやってほしいことがあります。それは
「この試験で何点ぐらい取れそうか?」
というふうに、ざっくりとした目標を定めることです。その点数に応じて、解けそうな問題の数やレベルも変わってきます。
成績がどうも伸びない学生さんを観察していると、何も考えずに1番から順番に解いているだけ、というケースがほとんどです。点数が良い悪い、以前に試験問題を見渡す努力をしていないのです。
どの試験でも、最初のこの目標を念頭に置いて「2番と4番は確実に解けそう、1番は計算がややこしそう、3番は難しそうだからパス…」みたいな感じで目算を立てる。それがあって初めて「ベストを尽くす」ことができるのです。そしてそんなふうに目算を立てる練習をすることで、自分の得意苦手もはっきりすることができ、実力も伸びるのです。これはどの科目にも共通して言えることです。
●なるほど。解けそうな問題が何問かある場合はどれから解くべきですか?
これもなかなかいい質問です。「できるだけ時間がかからず楽な労力で、確実にたくさんの点数が入ってくる問題」が、最初に解くのが理想です。
例えば、解けそうなんだけど配点が低い問題と、若干難しそうで配点も高いけど途中まではさっと書けそうな問題なら、私なら後者を先にやります。時間当たりの得点率が高そうだからです。いい点数を取るためには、そんなことを前もって考えておくのも重要ということです。
あと、多くの学生は「難しそうな問題を後回し」にする傾向があります。すると、採点する側はほとんどだれもが答えていないスカスカな問題を採点するわけで、ほんの少し正しいことが書いてあったら、人間の心理として点数をたくさんあげたくなるものなのです。そういう意味では難しい問題に軽くチャレンジするというのは、意外といい選択肢なのかなと思います。数学なら証明問題とか、理科や社会などでは文章を書かせる問題、英語や国語なら作文をさせる問題などです。
いずれにしても「どの問題から解くか」ということを追求していくと、実力アップに必ずつながります。ぜひ定期試験などを利用しながらどんどん練習していきましょう。
ちなみにKSP理数学院では、定期試験の過去問などを見ながら、いっしょに作戦を立てたりすることもあります。そうやって作戦を立てることで、自分のできる問題の範囲がどんどん広がっていくので、意外と本番ではいい点数を取ることも多いのです。そんなお悩みをお持ちの学生さんや保護者の皆さん、いつでもぜひお気軽にご連絡をお待ちしています。
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鍵本聡先生(KSP 理数学院代表) 京都大理学部・奈良先端大卒、数学教育のエキスパート。「計算力を強くする」シリーズや「16歳の教科書」など、著書は国内外で40冊に上る。