新春初の日曜日5日、「祝!ユネスコ世界無形文化遺産」と題してハルカス近鉄本店9階キッチンスタジオで開催された「「伝統的な酒造りの学び合い」プログラムに参加させていただきました。ユネスコ世界無形文化遺産に登録された日本の「伝統的な酒造り」について酒米や酒造り、酒のおつまみ等いろいろなことについて学ぼうという催しです。
初めにエリーニ・ユネスコ協会の安阪雄大さんから開会の挨拶。
続いて宮武和孝大阪公立大学名誉教授によるお酒とおつまみ・肴(さかな)に関するお話。飲む量と飲みすぎのお話では爆笑が起こっていました。また「料理からみた酒の二面性」について。西洋料理は料理ごとにお酒が変わる、対して日本酒は食べる側が料理を変えるので副食物として「酒(さか)」「菜(な)」といわれているとのお話。また一般栽培野菜と有機栽培野菜の食べ比べもできて、たいへん勉強になる時間でした。
続いて社会福祉法人こだま福祉会ヤオヨロズヤの増田靖代表から、「神の酒 金乃鳩」再現プロジェクトについてのお話。
同団体では、縁あって昭和22年まで堺の百舌鳥八幡宮(もずはちまんぐう)の御神酒として存在した「金乃鳩」というお酒を再現するプロジェクトを開始。堺の上神谷(にわだに)地区で酒米「山田錦」の生産を始めることになり、無農薬での栽培をするため障害をもつ人たちが毎日毎日、雑草取りをして稲を育てるという作業にあたったそうです。現在、奈良にある河合酒造に製造委託し、無農薬山田錦100%の純米吟醸酒「金の鳩」を販売、福祉と経営の両立を目指しているとのことです。いろいろなトラブルがありながらも頑張っておられる、素敵なお話でした。
続いて大阪府阪南市にある300年続く老舗、浪花酒造の成子和弘社長から酒造りについてのお話。
日本酒造りに使われるのは黄麴菌(きこうじきん)という種類だそうですが、この麴菌造りが大切で大変な作業であること、こうじ室での麹菌を繁殖させていく苦労があること、品温もなかなか思った通りにはならないのだそうです。また、酒母(しゅぼ)づくり、酵母の増殖もなかなか思いどうりはならず、苦労の連続なのだとか。大手メーカーは機械的に調整をさせるそうですが、手作りのお酒造りの大変さがよくわかりました。「この手をかけた苦労を考えると1本1万円以上は欲しいくらいです。」というお言葉に会場が沸いていました。お話のあと「浪花政宗」を飲ませていただきました。美味しい。
最後に、エリーニ・ユネスコ協会の富澤裕美子さんから、酵素と酵素を使ったおつまみのお話。
酵素にも大根、リンゴやパパイヤ、キンカンやマイタケなど多種多様な種類があり、健康保持のためにも役立つのだそうです。
実際に酵素や米麹を使ったおつまみがテーブル上にたくさん並び、なにわの伝統野菜を使った料理もあり、満足満足。特製ちまきやナンキンのグラタンでお腹もいっぱい。嬉しい一日でした。ありがとうございました。
縁活とは
「縁活」は、市民活動団体のみなさんが、楽しくて、日々の暮らしや地域、そして社会をちょっとよくするプログラムを、百貨店内で展開するプロジェクトです。2012年から社会実験イベントなどを重ね、2013年6月「あべのハルカス近鉄本店タワー館」のオープンにあわせて本格始動した、百貨店初のチャレンジプログラムです。現在およそ270の市民活動団体と、およそ150名のボランティアが集まり、活動を始めています。