特別賞
「「あたりまえ」を支えるもの」
撮影:武村悠真
撮影場所:阪堺上町線・松虫駅
撮影時のエピソード
人々の日々を支え、走り続ける阪堺電車。夕暮れの時間に、上町台地南部を走る路面電車を見て思わずシャッターを切りました。
審査員評
江口保夫(フォトキョイ):鉄柱や電線など写真的に色々な邪魔なものが写り込んでいますが、それがどっこい、邪魔でなく日常の光景として上手くまとめられています。チンチン電車の赤や黄色や青色、背景の建物の緑色がアクセントとして効果的です。また前を走る自転車をタイミング良く捉えられました。
清水ミサコ(ラメカカメラ堂):何気ない日常の写真で、人目を引く華やかな作品の中に埋もれてしまうような、蜻蛉のようなはかなさを感じます。そんな永遠に消えてしまうような一瞬を見事にとらえていると感じました。思わずシャッターを切った感情が、ダイレクトに伝わってきます。
田中一泉(日本写真映像専門学校):
「当たり前」とは本当に気が付くのが難しく、失った時などに気がついてしまう事が多いです。写真に起こすことでその存在に気づくことができる事も写真の良い所です。
この作品は路面電車をストレートに撮影することでその事に気がつかせてくれています。