所在地:大阪市阿倍野区阿倍野筋1丁目
写真/中原文雄 文/松本正行
かつて上町台地は大阪湾に突き出た細長い半島でした。先端だった場所に立つのが大阪城、根元あたりに鎮座するのが住吉大社。そしてへそにあたる部分に2014(平成26)年、巨大なランドマークが誕生しました。あべのハルカスは高さ300メートルを誇る超高層ビル(21年=令和3年4月現在、日本一)です。売場面積日本一の百貨店のほか、美術館、ホテル、展望台、鉄道の駅まで擁しています。
名称の「ハルカス」は洋風ですが、「人の心を晴れ晴れとさせる」という意味をもつ古語「晴るかす」に由来するそうです。一方、「あべの」がひらがななのは、「阿倍野」「阿部野」「安倍野」「安部野」など漢字表記がいくつもあり定まらないからでしょう。このうち文献上で一番古いのは「安部野」。もっとも、古代豪族の阿倍氏(のち安倍氏)の本拠だったことが土地の始まりだったとするなら、「阿倍野」が正統なのかもしれません。
上の写真のように「てんしば」(天王寺公園)が最もポピュラーなビュースポットですが、これだけ巨大な建造物です。下の組み写真のように、人それぞれ“お気に入りの場所”“思い入れのある場所”があって不思議ではありません。私の場合、夕日に映えるハルカスを飛行機から見たとき、思わず「きれいなぁ」とつぶやいていました。あなたもお気に入りの場所を探してみてください。
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中原文雄
1948年生まれ。建築工房日想舎 主宰。NPO法人まち・すまいづくり会員。
松本正行
1965年生まれ。ライター・編集者。NPO法人まち・すまいづくり会員。
※「うえまち」読者が推薦する上町台地の名所のうち、100か所を地図にした『上町台地名所百景』。大阪歴史博物館1Fにあるミュージアムショップで販売中です(税込400円)。