算数、数学、理科を解くのに、知ってるとちょっと得するコツや心構えを、数学・理科・英語の指導に定評のあるKSP理数学院の鍵本聡先生にお聞きするコーナーです。
●算数や数学の計算用紙は、テストが終わっても提出しないのに書き方とかあるんですか?
よく聞かれる質問に「計算用紙ってどう使ったらいいのか分からない」というのがあります。正直、計算用紙は答案に反映されない分、適当に書いてる人が多いかもしれませんね。
まず考えるべきことは、計算用紙はなんの目的で配られるのか、ということです。「答案に書く前に、適当に考えを書き散らすためのもの」と思いがちですが、実はもっと重要な役割があります。それは「計算を早く正しく行う」ということです。
仮に半径7cmの半円の面積を求める問題があるとして、計算式は(円周率を3.14とすると)
7×7×3.14÷2
となるわけですが、この筆算を答案に書くと、場所も狭いしなかなかうまくいかないわけです。そこでその計算をするために計算用紙が渡されているわけです。
このときに注意すべきことは、「計算が1回で正確にできるとは限らない」ということです。かなり慎重に筆算を進めていき、時間が余れば見直しも必要です。
そう考えると、計算用紙を効率よく使う必要があるわけです。ただやみくもに適当に計算をあちこちに書き散らしているようでは、なかなか点も上がらないでしょう。
●なるほど、計算用紙の重要性はわかりました。では具体的にどのように計算用紙を使えばいいのでしょうか?
まずできるだけ同じ問題の計算を同じ場所に書き、問題番号などを書いておくようにしましょう。できれば問題ごとに線などで区切って、さらに問題番号を大きく書いて丸をつけておくなどすることで、一目でどの問題かがわかるようにしておくのが得策です。
先ほどもチラッと書きましたが、計算間違いやミスを多発する人の多くが、計算用紙のいろんな所に書き散らす傾向にあります。計算用紙も答案やノートと同じように、できるだけ整理して書くようにすれば、かなりミスを防ぐことができます。また、試験時間残りわずか、というときに、ある問題の計算過程が一箇所に集まっているというだけで見直しも効率よく行えるのです。
●計算用紙を見たら、その人の実力がわかると聞きましたが本当ですか?
はい、かなりよくわかりますよ。むしろ答案用紙より計算用紙を見た方が実力がわかると言えるかもしれません。
計算用紙を効率よく書くことができるということは、情報の整理能力が備わっているということでもあります。限られた試験時間の中で美しい計算用紙を書いている生徒さんは、間違いなくどの科目も実力が上がりますし、逆に計算用紙が汚かったり、字が統一されていなかったりする場合は、まず勉強の仕方から教えないといけないことも多いものです。
一言でいうと、計算用紙にはみなさんの頭の中が表れるということでもあります。計算用紙を整理して書くことで頭の中もクリアにすることができるのです。焦らず落ち着いて計算用紙を活用することで、点数が伸びると心得ておきましょう。
KSP理数学院では、計算用紙の使い方なども丁寧に指導いたします。計算がうまくいかないみなさん、とりあえず無料でご相談は受けさせていただいています。ぜひお気軽にご連絡・ご相談ください。
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鍵本聡先生(KSP 理数学院代表) 京都大理学部・奈良先端大卒、数学教育のエキスパート。「計算力を強くする」シリーズや「16歳の教科書」など、著書は国内外で40冊に上る。