算数、数学、理科を解くのに、知ってるとちょっと得するコツや心構えを、数学・理科・英語の指導に定評のあるKSP理数学院の鍵本聡先生にお聞きするコーナーです。
●子どもの算数の答案の字がかなりぐちゃぐちゃです
お子さんの持って帰ってきた算数の答案の字が読みにくかったり汚かったりと、心配になられることはありませんか? 特に大人の字を見慣れている保護者からすると、こんなにぐちゃぐちゃだと心配だと思われる気持ちはよくわかります。
まず結論から言うと、無理に直す必要はありません。中学、高校と学年が上がるにつれ、指の筋肉もしっかりしてきて、ある程度きれいな字になることが多いので、それほど心配なさる必要はありません。実はかく言う私も、現在は答案をそれなりに見やすく書けるようになりましたが、子ども時代はかなり字が汚かったのです。
ただ、字が汚すぎて別の字と見間違えるときは、注意しましょう。実は自分の字を別の字と見間違えて計算間違いをするというのは、意外と多いのです。
●具体的にはどんな字の書き間違いに気を付ければいいでしょう?
算数でいうと、多いパターンとして「8」の上の部分がちゃんとかけてなくて「6」に見えてしまったとか、「3」の丸い部分をちゃんと書いてなくて「1」に見えてしまったとか、そういう数字の見間違いが非常に多いです。あとは「7」の上の方が小さくて「1」に見えるのも多いです。
また記号を見間違えることも時々あります。例えば「+」の縦棒がよこにずれて「-1」に見えるとかです。以前「=」がなぜか「2」と見間違えるなんていうケースもありました。
字の見間違いはそれぞれ間違いやすいパターンがあります。例えば「8」を「6」などに見間違えそうな場合は、「8」を書くときだけは慎重に書く、ということを心がけるようにしましょう。「=」や「-」は長めに書くというのもポイントです。
●それ以外に気を付けることはありますか?
計算間違いの多くは空間が狭いときに起こります。文字と文字の間だけではなく、問題と問題の間も少し間を空けることで見通しがよくなり、計算間違いをかなり防ぐのに役立ちます。
ノートをケチってどんどん文字を詰め込む人がいますが、あまりお勧めしません。特に算数や数学のノートは、むしろ自由におおらかに書くことで、心も安らいで問題を解けるので、正解にたどり着ける可能性も上るものです。
そんなわけで結論としては、
●字をきれいに書こうとしなくていいので、他の字と間違えないように区別できる字を書くこと。
●文字と文字の間、問題と問題の間に充分な空白をとること。
この2つを意識して守るようにすれば、致命傷は免れるはずです。意識して練習すれば見栄えのする答案をさっと書けるようになりますよ。
1223KSP理数学院では、計算間違いを防ぐようなノートの書き方、答案の書き方も丁寧に指導させていただきます。ぜひお気軽にご連絡ください。
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鍵本聡先生(1223KSP 理数学院代表) 京都大理学部・奈良先端大卒、数学教育のエキスパート。「計算力を強くする」シリーズや「16歳の教科書」など、著書は国内外で40冊に上る。