算数、数学、理科を解くのに、知ってるとちょっと得するコツや心構えを、数学・理科・英語の指導に定評のあるKSP理数学院の鍵本聡先生にお聞きするコーナーです。
●子供の夏休み、どんな勉強をさせたらいいのかわかりません
夏休みは学校がないぶん、宿題もたくさん出ることでしょう。でもそれだけでいいのかな? という気持ちもよくわかります。いったい夏休みはどんな勉強をして、どのように過ごせばいいのでしょう?
まず心がけてほしいのは、夏休みの間に必ず「1学期に習った範囲の問題をたくさん解く」ことです。1学期の範囲をおさらいするのは大変有意義なことです。特に1学期の定期試験などであまりいい点数が取れなかった科目や単元は、学校が進まない間に徹底的に訓練することが重要です。
そもそもどの科目でもそうなのですが、教科書というのは「1年間で一区切り」になっていることが多く、前半部は「基礎体力」をつけることに主眼が置かれています。ですから、1学期で苦戦していると、2学期はもっと苦戦することになってしまいます。
この部分を何度も繰り返して慣れておけば、2学期以降の内容がスムーズに頭に入ってきます。 たいていの学校が問題集などで夏休みの宿題を課しますが、その内容の大半は「1学期に習った範囲の問題」であることが多いです。それをちゃんと解くだけでもかなりの復習になります。ぜひ夏休みの宿題は早いうちにかっちりやってしまいましょう。
●分量的に、夏休みの宿題だけでだいじょうぶでしょうか?
学校や先生によっては、すごくたくさんの宿題を出す場合もあれば、あまり宿題を出さない場合もあります。自分のペースから考えて、もし学校の宿題がかなり少ないと感じるのであれば、問題集を買ってきて、1学期に習った範囲の問題をいろいろ解いたほうがいいかもしれません。
夏休みに学習塾や予備校などの「夏期講習」に行く人も多いと思いますが、気を付けるべきなのは、1学期の内容と違う範囲の講習を受講する場合です。先ほども述べた通り、1学期の復習が最も重要な時期なので、その内容をよく理解できているのであれば問題ないのですが、あまり理解できていないのであれば、1学期の復習も必ず行うべきです。「夏期講習に行ったから1学期の復習なんて必要ない」と思ってしまうのはとても危険です。
算数や数学の場合は、その時点数が取れていなくても、次の試験までにちゃんと追いついておけばそんなにダメージは大きくありません。ですので、点数が悪かったからといって何もしないのではなく、むしろ夏休みなどの長期休暇で必ず追いついておきましょう。これをしておくだけで次の試験からはかなり攻めることができます。
1学期で習った範囲の練習問題をたくさん解くことに加え、少し難しい問題にも挑戦しておけば、模擬試験などにも対応できます。
●2学期の予習はしなくてもいいのでしょうか?
夏休みの宿題や1学期の復習はできるだけ夏休み前半で終えてしまって、後半はぜひ2学期以降の予習に取り組んでみましょう。ほんの少しでも2学期の予習ができるなら、あとがラクになります。
いつも言っていますが、どの科目でも(特に算数や数学はそうなのですが)、初めて聞く話というのは理解するのに時間がかかります。一方、自分なりに予習した話をもう一度学校で聴くと、とてもよくわかることが多いのです。予習というのは、そういう意味でとても効果的な勉強法です。
まずいのは、学校がないからといって何もしないこと。たいていは夏休みの宿題がたくさん出ると思いますが、出なかった場合でも必ずドリルなどでまとまった分量の問題を解くようにしましょう。
1223KSP理数学院では、夏休みだけの受講も大歓迎です。一人一人の成績や事情に合わせて的確に対応します。ぜひお気軽にご連絡・ご相談ください。
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鍵本聡先生(1223KSP 理数学院代表) 京都大理学部・奈良先端大卒、数学教育のエキスパート。「計算力を強くする」シリーズや「16歳の教科書」など、著書は国内外で40冊に上る。