算数、数学、理科を解くのに、知ってるとちょっと得するコツや心構えを、数学・理科・英語の指導に定評のあるKSP理数学院の鍵本聡先生にお聞きするコーナーです。
●算数を保護者が教えるときに一番気をつけるべきことはなんですか?
まず、算数を教える際にやりがちな間違いは、保護者が全部問題を解いてしまうこと。
教える側が全部解いてしまわずお子さんの手をできるだけ動かすように、うまく教えることが大切です。
●具体的にはどんな感じで教えるといいのですか?
お子さんに「いきなりやってみてね」って言っても、なかなかできないものですよね。そこで、1問だけ問題を解いて例を見せた後、同じ問題を今度はお子さんが解く感じで、真似をしてもらうところから始めましょう。この真似をする練習が、お子さんにとってはとても大切な勉強になります。ときどき詰まったり間違えたりすることがあるかもしれませんが、そのときには「あ、そうじゃなくてね」という感じで、丁寧に修正してあげたり、「そこでこの部分を見るといいよ」みたいな感じで、ヒントを出してあげるようにします。最後までたどりついたら「よくできたね~」と言って感動を分かち合うようにすれば、きっと算数の勉強が楽しくなってくるはずです。
●途中で分からなくなったら修正してあげたらいいのですね。
お子さんに全て任せるのがポイントです。途中で少し悩んだりしている場合は、まずは答えを出すまで我慢して見届けてあげましょう。すぐに教えずに、例題を参考にしながら問題を自力で解けるよう導いてあげる手もあります。そうやってヒントをもらったりしながら最後まで行きつく練習を何度かしているうちに、途中でつまらなくなりますよ。
●逆によくないおしえ方はどんな感じですか?
例えば、教える側がずっと話しているだけ、という光景もよく見かけます。実は算数というのは、いくら素晴らしい先生のお話を聞いても、自分で手を動かさないとなかなか実力はあがりません。理解したつもりでも問題が解けない、ということが多いのです。最初の1問だけ解いて見せて、あとはお子さんができるだけ自力で解く、というのが理想です。
●そのほかに、算数や数学を教える側がやってあげることはありますか?
問題集などで、問題を一通り解き終わったら○×だけ一緒につけてあげる、というのもいいかもしれません。どの問題を計算間違いしたか、親と一緒に確認することで、子どものほうも計算間違いしそうなポイントを心の中にしっかりおぼえることができます。
お子さんがうまく算数や数学の勉強のコツをつかんでくださればと思います。
▽1223KSP 理数学院(旧KSP理数学院)=東成区東小橋3‐1‐15NKBビル3階、電話06・4981・5292
鍵本聡先生(1223KSP 理数学院代表) 京都大理学部・奈良先端大卒、数学教育のエキスパート。「計算力を強くする」シリーズや「16歳の教科書」など、著書は国内外で40冊に上る。