ライター・編集者
松本 正行
(例文)当社の新入社員には、まず先輩のレポートを読まさせます。
前回は「ら抜き言葉」を紹介しました。今回は「さ入れ言葉」です。1996年度の「国語に関する世論調査」において、すでに文化庁が「さ入れ言葉」の調査を行っていますから、そのころには目立ち始めていたとみていいでしょう。
正解はもちろん次のとおり。
(修正)当社の新入社員には、まず先輩のレポートを読ませます。
「明日は休まさせていただきます」「車に乗させてください」「娘に持って行かさせます」――これらの「さ」はすべて必要なし。「歌わさせていただきます」などはテレビでよく耳にしませんか。「さ」を加えたほうが、なんとなく丁寧に感じるからなんでしょうね。
実は、「さ入れ言葉」ほど広まってはいないものの、「れ足す言葉」もあります。「行けれる」「読めれる」といった具合で、使っているのは主に若者ですが、言葉は耳から入ります。頭に残りいつの間にか使ってしまった、ということがないよう注意したいものです。
筆者紹介:上町台地上にある高津高校出身。新聞社・出版社勤務を経て、現在、WEBや雑誌等で活躍中。NPO法人「まち・すまいづくり」会員。