ライター・編集者
松本 正行
(例文)チームの役に立てるよう、これからも頑張りたいと思います。
自己紹介でよくあるフレーズのひとつです。開幕前のプロ野球選手なども使いそうですが、ちょっと待ってください。「頑張る」を実行するのは自分です。そうであるならば、わざわざ「思う」をつける必要はないのでは。むしろ、「思う」をつけたことで、「本当に頑張るつもりなの? 覚悟を決めろ!」と言われかねません。
(修正)チームの役に立てるよう、これからも頑張ります。
読みやすい文章は、文末がすっきりしています。無駄な言葉がなく誤解を生まないのです。文意が明確になるだけでなく、締まったスマートな(=賢い)文章にもなります。
よく使われる、あいまいな文末は他にもあって、たとえば「彼の失敗だろうと思う」は「彼の失敗だと思う」にすべきでしょう。一方、「お詫びしたいと思います」は「思う」をつけたことで相手に失礼な表現になるので、絶対に避けるべき。「お詫びします」では丁寧さに欠けると考えるのなら、「お詫びいたします」や「お詫び申し上げます」を使うようにしましょう。
筆者紹介:上町台地上にある高津高校出身。新聞社・出版社勤務を経て、現在、WEBや雑誌等で活躍中。NPO法人「まち・すまいづくり」会員。