ライター・編集者
松本 正行
(例文)日本の出生率は低い。大幅な人口減少も予想される。人口の減少は経済力の低下を招く。早急に手を打たなくてはいけない。
「一文を短く」は文章を書く際の基本です。だらだらと長い文章は読みにくく、文意もつかみにくいからですが、「短ければ短いほどよい」わけではないのでやっかいです。例文は10~15字程度の短文が連続しています。もし、このまま短文ばかりが続けば、たぶん読みにくさを感じることでしょう。
修正文では「。(句点)」を1つ減らし「、(読点)」に変えました。「経済力の低下」が「手を打つ」理由のひとつですから、その関係も明確にし、文意をとらえやすくしています。
(修正)日本の出生率は低い。大幅な人口減少も予想される。人口の減少は経済力の低下を招くため、早急に手を打たなくてはいけない。
文の「読みやすさ」にはリズムが関係しています。短文と長文が適度に混じっているのがリズミカルでよい、とされるのです。先の文章も短・短・短を短・短・長にし、変化をつけました。例文より読みやすくなったはずです。
文のリズムをよくするには音読が一番です。音読し「リズムが悪いな」と感じた部分は文章の長さを変えてみましょう。きっと「これが読みやすい!」が見つかるはずです。
筆者紹介:上町台地上にある高津高校出身。新聞社・出版社勤務を経て、現在、WEBや雑誌等で活躍中。NPO法人「まち・すまいづくり」会員。