ライター・編集者
松本 正行
(例文)今日は雨が降っているので、予定していた打合せは中止にします。
よくやりがちなミスに「言葉足らず」があります。たとえば、例文にはおかしなところはありませんが、まったくの部外者だと「なぜ雨だと、打合せを中止にするのか」「外で打合せをする予定だったのか」などと疑問に感じることでしょう。中止する理由が書かれていないため、読み手はそれを確認する必要が出てきます。
(修正)今日は雨が降っているため、定点観測ができない。データが取れないので、予定していた打合せは中止にします。
言葉が足りないと意味があいまいになり、文章もわかりにくくなるのです。省略しても、読み手にこちらの意図がきちんと伝わるかどうか……。読み手の気持ちになって読み返すのはもちろん、得意先宛てなど重要な文章ならば身近な人に読んでもらって、きちんと意図が通じるかどうか確認するようにしましょう。
他にもこんな文章を書いていませんか。「この商品は定期的に適量をご使用ください」。定期的ってどれくらいの間隔? 適量ってどのくらいの量を? 読み手に不親切な文章は、混乱を招くだけです。
筆者紹介:上町台地上にある高津高校出身。新聞社・出版社勤務を経て、現在、WEBや雑誌等で活躍中。NPO法人「まち・すまいづくり」会員。