ライター・編集者
松本 正行
(例文)連日の猛暑でエアコンの需要が高まり、令和になって最大の販売記録に達した。
漢字の多い文章は、なんだか賢くみえます。ただ、どうにも堅苦しくて印象はよくありません。典型的なのがお役人の書く文章で、堅いだけでなく、頭にも入りにくい。「煙に巻く」ことを考えてはいるわけではないのでしょうが……。例に挙げた文章も、多くの人は堅苦しさを感じると思います。
(修正)猛暑が続いてエアコンの需要が高まり、令和に入って最も多い販売台数になった。
漢字で書く単語には大きく「和語」と「漢語」の2種類があって、一般的に和語は柔らかく、漢語は堅く感じます。漢語は音読みで、例文だと「連日」「猛暑」「需要」「最大」「販売」「記録」がそれにあたります。これだけ漢語が続くと、堅苦しく感じるのは当然で、例文では「連日」と「最大」を和語に代えてみました。これだけでずいぶん印象が変わります。
「増加する」「出現する」などの「動詞+する」は簡単に和語にできます(増える、現れる)。「明白に」などもよく使いますが、「あきらかに」にするだけで印象ががらりと変わります。うまくバランスをとって読みやすい文章を心掛けましょう。
筆者紹介:上町台地上にある高津高校出身。新聞社・出版社勤務を経て、現在、WEBや雑誌等で活躍中。NPO法人「まち・すまいづくり」会員。