ライター・編集者
松本 正行
(例文)まさか、あの真面目な近藤さんが会議の時間を間違えることはない。
副詞には決まった文末を伴うものがあります。これを「係り受け」と呼び、「呼応表現」ともいわれます。例文がまさにそのケースで、修正文のように文末は「打ち消し推量」の形にしなくてはいけません。
(修正)まさか、あの真面目な近藤さんが会議の時間を間違えることはないだろう
こうした係り受け関係にある言葉はいくつもあって、たいていの人は使いこなしています。ただ、時々、間違って使うこともあるので要注意。これを機に、しっかり確認しておきましょう。
・いまだ/いまさら/ぜんぜん~ない
これらの文末には否定(打消し)が来ます。このうち「ぜんぜん」は「ぜんぜん大丈夫だよ」のように肯定する使い方が増えており、許容されるようにもなっていますが、「正しい文末は否定の形」であることは覚えておきましょう。他にも「決して」や「まったく」なども文末に否定が来ます。
・きっと/おそらく/必ずや~だろう(推量)
・まさか/よもや~ないだろう(否定の推量)
係り受けを間違えると意味をとらえにくくなることもあるので、読み返しの際にしっかりと確認することが大切です。
筆者紹介:上町台地上にある高津高校出身。新聞社・出版社勤務を経て、現在、WEBや雑誌等で活躍中。NPO法人「まち・すまいづくり」会員。