ライター・編集者
松本 正行
(例文)この製品は、耐久性に優れているところが強みになります。
「どこがおかしいの?」と思った人がいるかもしれませんね。おかしいのは「なる」の使い方。ここは素直に、次のように表現すべきです。
(修正)この製品は、耐久性に優れているところが強みです。
いつのころからか、「~になります」は「~です」より丁寧だ、と誤解されるようになりました。なんとなく柔らかい感じがするからでしょう。しかし、「なる」は本来、変化や変更を表す言葉で、丁寧さとは関係はありません。話し言葉はギリギリ許容できるとしても、書き言葉での使用はまだまだ不適切。「です」に置き換えるようにしてください。
それでも、「もっと丁寧さを増したい」という人は、次のような表現をマスターしましょう。「明日は平常どおりの営業となります」→「明日は平常どおり営業いたします」、「ご注文のお品物になります」→「ご注文のお品物でございます」。
「なる」のような間違いは広く蔓延中です。次回も気になる表現を取り上げます。
筆者紹介:上町台地上にある高津高校出身。新聞社・出版社勤務を経て、現在、WEBや雑誌等で活躍中。NPO法人「まち・すまいづくり」会員。