ライター・編集者
松本 正行
(例文)私は彼の意見には反対です。なぜかというと、時期尚早だと思うからです。
文章をすっきりと読みやすくするテクニックのひとつに「余分な言葉をはぶく」があります。例文だったら、「なぜかというと、」がなくても意味は通じます。「その理由は」や「そのわけは」といった表現も、たいていの場合ないほうが読みやすい。むしろ、それらがあることにより、もったいぶった感じがして印象を悪くします。
(修正)私は彼の意見には反対です。時期尚早だと思うからです。
「これから●●について書きます」などの前置きも読み手にとっては邪魔なものです。この程度ですめば〝まだまし”ですが、何行にもわたって続けば読み手は飽きてしまうでしょう。
「かなり」や「とりわけ」といった具体的な中身がなく、抽象的で、なくても通じる修飾語もできるだけはぶくようにしましょう。不要なものは削って単刀直入に書く――。それが読み手の理解を進める一番の近道です。
筆者紹介:上町台地上にある高津高校出身。新聞社・出版社勤務を経て、現在、WEBや雑誌等で活躍中。NPO法人「まち・すまいづくり」会員。