ライター・編集者
松本 正行
(例文)彼は駅に向かった。そして、彼女も駅に向かった。だから、彼らは会うことができた。
映画のような劇的な場面を描いたつもりなのですが、どうも間延びした感じがしてしまいます。理由は、この短い文章のなかに接続詞が2つもあるから(「そして」と「だから」)。
試しに2つとも取ってみましょう。まったく違和感がありませんよね。締まった感じがして、映画ような情景が浮かびます。
(修正)彼は駅に向かった。彼女も駅に向かった。彼らは出会うことができた。
接続詞は文と文をつなぐ働きをしています。読み手の理解が進む「方向指示器」のような役割もしています(「しかし」が出てきたら反対の意味の文につながる=逆接、など)。とはいっても、多くの接続詞はなくても意味は通じるのです。むしろ、接続詞が多過ぎると読みづらくなってしまいます。
「しかし」など逆説の接続詞は省略しないでいい場合がほとんどですが、「そして」など順接の接続詞の多くはなくても大丈夫。接続詞は必要最小限に――覚えておきましょう。
筆者紹介:上町台地上にある高津高校出身。新聞社・出版社勤務を経て、現在、WEBや雑誌等で活躍中。NPO法人「まち・すまいづくり」会員。