ライター・編集者
松本 正行
(例文)イベントの詳細については掲示物か、係の者にお尋ねください。
本稿で何度も書いていますが、プロのライターでも「うっかりミス」はあります。例文のような間違いは、その典型で、だからこそ読み直す際の“重点チェックポイント”なのです。
例文では「掲示物」と「係の者」が「お尋ねください」という述語を共有しています。係の人に尋ねたら詳しく教えてくれるでしょうが、掲示物に質問しても返事はないでしょう。
(修正)イベントの詳細については掲示物をご確認いただくか、係の者にお尋ねください。
「掲示物」に対応する述語(ご確認いただく)を補うことで、文章が正確になりました。「趣味はゴルフとお酒を飲むこと」といった表現も話し言葉では許されるでしょうが、文に書く場合は「私の趣味はゴルフをすることとお酒を飲むこと」にしたほうがいいでしょう。
なお、「ギターも弾くし、ヴァイオリンも弾きます」のような文は述語をまとめたほうが読みやすくなります(「ギターも、ヴァイオリンも弾きます」)。共通の動詞を用いることができないときは「正確に」、できるときは「すっきりさせる」を心掛けてください。
筆者紹介:上町台地上にある高津高校出身。新聞社・出版社勤務を経て、現在、WEBや雑誌等で活躍中。NPO法人「まち・すまいづくり」会員。