ライター・編集者
松本 正行
(例文)大切なのは全力を出し切ることで、志望校に合格できた。
主語と述語は文章の骨格です。日本語の場合、主語を省略することがありますが、単に隠れているだけで「ない」わけではありません。そして、必ず主語と述語は対応します。
例文はどうでしょう。主語は「大切なのは」で、述語は「合格できた」。よく読めば、噛み合っていないことがわかりますよね。次のように言葉を補うと、スマートになります。
(修正)大切なのは全力を出し切ることだ。全力を出し切ったからこそ、私は志望校に合格できた。
言葉は必ず別の言葉につながります。しかし、流れのままに書いていると、うまくつながらないことがよく起こる。例文のように「何となく言わんとすることはわかるが……」という文章だと、その間違いに気がつきにくいのです。私たちプロでもしばしばこの罠にかかります。
今回は“難易度の高い例文”を用意しました。「主語と述語がねじれ」は本当に多いミスなので、次はもう少し簡単な例を材料に練習することにしましょう。
筆者紹介:上町台地上にある高津高校出身。新聞社・出版社勤務を経て、現在、WEBや雑誌等で活躍中。NPO法人「まち・すまいづくり」会員。