ライター・編集者
松本 正行
(例文)田中くんが思ったのは、渡辺くんに参加して欲しかった。
チグハグな文章の2回目。これも言わんとしていることはわかります。しかし、主語の「思ったのは」と述語の「欲しかった」は対応していません。もっと長い文章だったら、読み手は文意を捉えることができず混乱した可能性があります。
このような場合、2つの修正法があります。
(修正①)田中くんは、渡辺くんに参加して欲しい、と思った。
(修正②)田中くんが思ったのは、渡辺くんに参加して欲しい、ということだ。
ニュアンスとしては、②のほうが「それを思った!」という感じが強く出ます。どちらを選択するかは、まあ、前後によるでしょう。
他にも「佐藤さんが言うには、大会の規模を縮小すると言う」「次のニュースは、美術展のニュースです」といった具合に、主語と述語が被りチグハグになっている文章も多くあります。こうしたケースでは、不必要な言葉は削る、あるいは冒頭のように「こと」を使ってシンプルで伝わりやすい文章にしましょう。
筆者紹介:上町台地上にある高津高校出身。新聞社・出版社勤務を経て、現在、WEBや雑誌等で活躍中。NPO法人「まち・すまいづくり」会員。