ライター・編集者
松本 正行
(例文)山田君のすごさを、まだ理解されていません。
一文字違うだけで伝わるニュアンスがガラリと変わるのが「てにをは」です。たとえば「山はきれいだね」と「山がきれいだね」では、いままさに山を見ているのは後者だ、とすぐにわかるはずです。
「てにをは」の使い分けは、文章の上達には欠かせません。もっとも、例文はニュアンス以前の問題。使い分けというより混乱といったほうがいいかもしれませんね。
(修正)山田君のすごさは、まだ理解されていません。
「すごさを」を生して、「山田君のすごさを、まだ誰も理解していない」と直す方法もあります。こうした「を」と「は/が」の混乱はよく見られるので注意しましょう。
なお最近は、「てにをは」に不要な言葉を足したり、必要なものを引いたりする間違いも増えてきました。「訪問先での食べ物」は「訪問先の食べ物」でいいし、「学生時代しか経験できない」は「学生時代にしか経験できない」でないといけません。ご注意を。
筆者紹介:上町台地上にある高津高校出身。新聞社・出版社勤務を経て、現在、WEBや雑誌等で活躍中。NPO法人「まち・すまいづくり」会員。