職業:雀荘(麻雀クラブ)
落語にはさまざまな職業が登場します。
演芸評論家の相羽秋夫さんならではの
切り口で落語国の仕事をみてみると……。
文/演芸評論家 相羽秋夫
麻雀(マージャン)をこよなく愛する男、このままでは身を持ちくずすと考える。今日限りで止めようと決意して、最後のゲームをするため雀荘(じゃんそう)にやって来る。
親しい友人3人と始める。それぞれに冗談を飛ばしながら楽しく進行するが、男1人が大敗することが分かる。もう1度やりたいと言う男を無視して帰ってしまう。男「ええわい! 別の友達を呼んだらしまいや。1人でやっているのやから」。(6代桂文枝作)
雀荘(麻雀荘)は、席料を取って麻雀をさせる場所である。麻雀クラブと呼ぶこともある。
麻雀は、中国の宋期に誕生した馬吊(馬弔。マーティアオ)が原型とされる。その後、19世紀に陳魚門という人が、現在のような形に整えた。
日本には、大正期に英語教師の日本人によってもたらされた。そこから流行の勢いは盛んになり一般の家庭でも行われるようになった。戦後は、学生の間で大流行し、大学の周辺に多くの雀荘が作られた。
ゲームは、4人で四角のテーブルを囲んで行われる。136個の小さい竹片(牌・パイ)を、各自13個ずつ持ち、14個で完成させる。その牌には、万子(マンズ)・筒子(トンズ)・索子(ソーズ)・三元(白板・緑発・紅中)・四喜(東・南・西・北)の5種類がある。
目前に積まれた牌を持ってくる自摸(ツモ)、自分の直前の順番の人から取る吃(チー)、誰からも貰える碰(ポン)、同じ牌を4枚集める槓(カン)などの方法で、点数の大きい集め方をくり返す。全てのゲームが終了した段階で、一番点数の多いものが勝ちとなる。
点数によって額の変わる金額を賭(か)けたり、景品を授与したりする。ただし懸け麻雀は、高額すぎると賭博行為と見なされ、法律で罰せられる。
1929年には、日本麻雀連盟が結成され、段位制も採用されている。近年は、特に学生の間で麻雀熱が消えた。
麻雀に良く似たカードゲーム「セブンブリッジ」は、日本独自のゲームとして愛好者が多い。
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