ライター・編集者 松本正行

2025年の映画界はまさに『国宝』一色ですが、ここでいう国宝は人間国宝(重要無形文化財保持者)のことで、主人公たちはそれを目指す、という筋立てです。映画では歌舞伎の世界が描かれていましたが、もちろん、文楽の世界にも人間国宝はいます。現在4名――みなさん、いまも舞台に上がっておられます。
お名前を挙げておきましょう。太夫は2024年に豊竹咲太夫さんが亡くなって残念ながら現在は不在ですが、三味線は鶴澤清治さん、人形は吉田和生さん、三代目・桐竹勘十郎さん、二代目・吉田玉男さん(写真)の3名。歌舞伎と違って、親が文楽の技芸員(太夫・三味線・人形遣い)だったというケースは少数で、このなかでは桐竹勘十郎さんだけです。吉田玉男さんなどは、手伝いのアルバイトに誘われたのが文楽の世界に入ったきっかけだったといいます。
ちなみに、いままでに文楽では太夫が10人、三味線が9人、人形遣いが8人の合計27人が人間国宝に認定されています。いずれにしても、「国宝」だけにその技・芸は一級品です。現役4人の出演作はとくに注目。とともに、若手の技芸員のなかから“未来の国宝”(=原石)を探してみるのも楽しいですね。
少し先ですが、正月公演(「初春文楽公演」)のご案内。
こちらには4人の人間国宝が全員、出演予定です。とくに、第2部の『新薄雪物語』には人形の3人の国宝が登場するので見逃せませんね。
●「令和8年初春文楽公演」(1月3日~27日)
https://www.ntj.jac.go.jp/schedule/bunraku/2025/2026bunraku01/
筆者紹介:上町台地上にある高津高校出身。新聞社・出版社勤務を経て、現在、WEBや雑誌等で活躍中。NPO法人「まち・すまいづくり」会員。
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