所在地:天王寺区茶臼山町1
写真/中原文雄 文/松本正行
大阪には古くから「堀越さんは一生に一度の願いを叶えてくれる」との言い伝えがありました。それがネットなどで紹介されたこともあるのでしょう、最近では府外に留まらず外国の方も堀越神社(写真上)を訪問するようになりました。「ひと夢祈願」(予約制)は書いた願い事をお守りに入れもらい、ご祈祷を受けます。お守りを肌身離さず身につけていると願いが叶う、といわれます。
大江神社と同じく四天王寺の守り神(=四天王寺七宮)として建てられました。明治の半ばまで境内の南が窪んでおり、それ(堀)をわたって参拝したので「堀越神社」と呼ばれるようになったのだとか。いまと違って景色もよかったようですが、樹齢500年を超える古木があるなど閑静な雰囲気はそのまま残されています。それもパワースポットとして注目される由縁なのかもしれません。
境内には熊野第一皇子之宮が建ちます(写真下)。熊野街道の起点である(いまの坐摩神社行宮)にあった窪津王子が四天王寺の西門近くの熊野神社に移り、熊野神社が堀越神社に合祀されたのを機に現在の場所に移転しました。また、徳川家康が篤く信仰したという茶臼山稲荷神社も末社に連なります。夏の陣の際、稲荷社の白狐が家康の危機を救ったとされ、交代の度に大坂城代も参ったそう。小さいながらも実にいろいろな歴史を、堀越神社は秘めています。
中原文雄
1948年生まれ。建築工房日想舎 主宰。NPO法人まち・すまいづくり会員。
松本正行
1965年生まれ。ライター・編集者。NPO法人まち・すまいづくり会員。
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