大阪中之島美術館で開催されている『塩田千春 つながる私(アイ)』。展覧会の内覧会に参加した、一級建築士・芸術担当KOTA記者のレビューをご紹介します。
大阪出身の塩田千春さんにとって「ホーム」、大阪での16年ぶりの個展。
巡回展ではなく大阪のみでの開催とあって期待が高まる。
インスタレーション6点、タブロー3点、
立体1点、ドローイング19点、挿絵268点(多和田葉子の読売新聞連載小説『研修生(プラクティカンティン)』のための挿絵)を鑑賞。
「私」「目」「愛」の3つの意味をもつ「アイ」。これら3つの要素を通じて、私たちは世界とつながっている。
コロナ禍、人と人との「つながり」が絶たれた中で感じたもの、今までの様々な人やものとの「つながり」を改めて認識。意識した他者との「つながり」に「アイ」を通じてアプローチを試みる。
様々な人々から寄せられたメッセージをつなぎ合わせたインスタレーションをはじめとしたインスタレーションのみではなく、塩田氏の長い芸術活動を横断する展示内容を通じて、彼女自身が考える「つながり」を意識させられることとなる。
それは同時に人々の記憶を可視化する装置ともなる。
力強いメッセージを持った作品群を前にして、人々が自己の記憶を掘り起こし、たくさんのつながりに思いを馳せる、よい機会なのではないかと思う。
登壇された塩田さんご本人はものすごくチャーミングな方でした。
作品とは対照的、だけど常に考え動き続ける、それを表現する喜び(苦しみ)にあふれているような方でした。
国立国際美術館との間の橋(中之島美術館の2階部分にあたる)が開通したことで、両美術館がつながったことも紹介がありました。
詳細は大阪中之島美術館ホームページへ。